Posts Tagged 言葉の解説
『パレオパラドキシアの黎明』言葉の解説 その3
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 11 月 6 日

ポッドキャスティングという言葉が登場してから久しいですが、認知度は未だに高くないのが実状です。本作に登場する架空の番組「Webニュース・ロケットズーム」は「ビデオポッドキャスティング番組」という設定ですが、日本ではまだ馴染みの薄いジャンルなので、イメージが湧きにくい方もいらっしゃったかもしれません。簡単に説明すれば、インターネット上で展開されるテレビニュースやラジオ番組みたいなものです。
実際、この番組のモデルは米国で2004年からスタートして、今なお更新を続けている”Rocketboom“という番組です。米国ではビデオポッドキャスティングの草分け的存在ですが、現在では”Mahalo Daily“、”GeekBrief.TV“、”Revision3“などなど、その他数多くの本格的なビデオショーがネット上で公開されています。主にIT関連の情報を私見を交えて報道したり、アンカーマン/アンカーウーマン(司会者みたいなもの)自らが体当たり取材したものなどが、ほぼ毎日のペースで更新されており、ハンパなテレビ番組を見ているよりも視聴者を飽きさせません。お国柄なのか、ビデオカメラで自分を撮影した映像を全世界に公開することを躊躇わない人が多く、テレビのニュース番組と遜色ない作りのものから素人感丸出しの番組まで様々なビデオ番組を見ることができます。
一方、日本では「自分の顔を全世界に晒す」ということに抵抗があるのか、素人が制作したビデオポッドキャスティング番組は少ないです。また、Webメディア系がバックアップしている番組も、長続きしているところは少ないです。特に女性司会者がメインのものとなると更に少なくなります。現時点でそこそこ「有名」と言えるのは、『ケツダンポトフ』くらいではないでしょうか。
その代わりと言ってはなんですが、日本の場合は「インターネットラジオ」と呼ばれる「音声ポッドキャスティング番組」が数多くあります。今回リッコたんを演じた田中舞も『小紫家の人々』という番組でメインパーソナリティーを務めていることは、こちらのブログでも何度か紹介しているのでご存知の方も多いかと思います。ちょうど本日101回目の放送を迎えたとのこと。今回は田中と樹元の即興ラップ対決が聞きどころです。パソコンからアクセスされている方で、まだ聞いたことないと言われる方は、ぜひ一度聞いてみてください。
『パレオパラドキシアの黎明』言葉の解説 その2
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 11 月 5 日

昨日に引き続き、『パレオパラドキシアの黎明』に出てきた言葉の解説をしていきましょう。今回は「技の名前」について。
なぜか日本のヒーローものは「技を出す時、技の名前を絶叫する」ことが多いような気がします。子供の頃「そんなに技の名前を大声で言ったら、敵に手の内が読まれてしまうではないか」と思ったものですが、ごっこ遊びをする時には技の名前を叫ぶだけでそのヒーローになれたような気がして、ああ、そういうことだったのか、と子供ながらに納得したものでした。
前作『ケープアカハーテビーストの黄昏』でも怪獣のネーミングや、技の名前をつけるくだりなどがありましたが、今回はみんな叫ぶので、より一層語呂の良さを意識して考えました。
残り湯ウォッシャー!:
セッスイ少佐ことセツヤくんの「節水技」その1です。風呂桶に残った水を遠く離れた洗濯機に持っていく動きをモチーフにしています。
貯水タンク・ヒネルトジャー!:
セッスイ少佐の「節水技」その2です。節水というか、折角貯めた水を放出するので、とてもエネルギーが必要なのと、一発技なので、外すと自分のダメージが大きいです。
印象派ショット!:
デペイズマンの技です。1回目は「マネ!モネ!ルノワール!」、2回目は「ドガ!シスレー!ゴンザレス!」と、いずれも印象派画家(リンク先はWikipedia)の名前を羅列しています。芸術仮面なので画家の名前、という安易と言えば安易な発想です。
また、セッスイ少佐も、1回目の攻撃でやられた時は「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢〜!(1880年・ルノワール作)」、2回目は「舞台の踊り子〜!(1878年・ドガ作)」(リンク先はそれぞれの画像ファイル)とある程度有名な絵画の作品名を叫びながらやられています。ちなみにやられるポーズも極力その絵画に近いポーズをとってもらうようにしました。印象派の絵画に興味のない方は、これを機会に展示会などが開催された際にはご確認ください。
バルビゾン・ポーズ・アタック!:
印象派と時期を前後してバルビゾン派(リンク先はWikipedia)という絵画の一派が存在しましたが、そこに由来しています。ミレーの『落穂拾い』や、コローの『青い服の婦人』など、そのままです。つまり技の名前は「バルビゾン派の絵画のポーズをとりなさい」という意味です。見比べてみましょう。


いかがでしょうか。『落穂拾い』は学校の美術の時間や、テレビCMなどでも取り上げられる機会の多い絵画ですので、ご存知の方もたくさんいらっしゃると思いますが、まさかここまで忠実にポーズを再現していたとは思っていなかった方もいらっしゃって、ご丁寧に後ほど確認された旨をメールでご報告していただきました。
実際、このポーズをとってもらったエコロジンの3人曰く「かなり厳しい体勢」とのこと。当時のモデルの苦労を身を以て知ったようでした。
ちなみにエコロジンがポーズをとってる間、デペイズマンは「デーッサーン!」と言っています。つまり素描・下絵の状態です。それに色をつけてフィニッシュということになるのですが、本作品中ではフィニッシュ技は中断されてばかりでした。
ポスト印象派ビーム!:
後期印象派とも呼ばれた画家で有名どころと言えば、ゴッホやゴーギャンあたりですが、劇中の台詞では「ゴッホ・ゴー……」までしか言えていません。リツコに阻まれて、思わず「セザンヌ!」と中断してしまいます。セザンヌもポスト印象派を代表する画家の一人です。
どうでもいいことですが、「ゴッホ・ゴーギャン」の言い方は、私が子供の頃見ていたテレビマンガ『勇者ライディーン』に出てくる技「ゴッドゴーガン」と同じにしてくれと注文をつけてますので、懐かしく思われた方も中にはいらっしゃるかもしれません。
ファイナル・キュビズム!:
「ファイナル」と言っているので「とどめの必殺技」であることは想像に難くないと思いますが、何をあんなに長い呪文のような言葉を言っていたのか。キュビズムで気付かれたお客様もいらっしゃったようですが、この技はピカソのフルネームを言い切って放つものだったんですね。
パブロ、ディエーゴ、ホセー、フランシスコ・デ・パウラ、ホアン・ネポムセーノ、マリーア・デ・ロス・レメディオス、クリスピーン、クリスピアーノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダード、ルイス・イ・ピカソ(Pablo, Diego, José, Francisco de Paula, Juan Nepomuceno, María de los Remedios, Crispin, Cripriano, de la Santísima Trinidad Ruiz y Picasso)
この最後の最後にある「ピカソ」を言う直前でリツコが「たんま!」と叫ぶので、途中でごまかせない、デペイズマンにとっても役者本人にとってもエネルギーの必要な技となったのでした。
それではまた。
『パレオパラドキシアの黎明』言葉の解説 その1
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 11 月 4 日

急激に冷え込んできましたが、風邪など召されぬようご注意ください。さて、毎度恒例「言葉の解説」です。今回は登場人物・団体の名前の由来から。
悪の組織エコロジン:
これはもう本編をご覧いただいた皆さまならおわかりでしょう。「エコロジー+人」で「エコロジン」です。過度な環境保護や動物愛護を標榜する団体は現実の世界でも存在しますが、エコロジンもそんな団体のひとつです。「悪を名乗っているのに地球に優しい」とか「人であってヒトデナシ」などの矛盾を抱えた組織でもあります。
東日本支部のメンバーはユーキ(=有機)将軍、セツデン(=節電)大佐、セッスイ(=節水)少佐とエコロジーにちなんだ名称をつけています。
正義の味方デペイズマン:
馴染みの薄い言葉だと思います。みんな大好きオンライン百科事典Wikipediaによりますと……
デペイズマン (dépaysement) とは、シュルレアリスムの手法の1つ。この言葉は、もともとは「異郷の地に送ること」というような意味であるが、意外な組み合わせをおこなうことによって、受け手を驚かせ、途方にくれさせるというものである。文学や絵画で用いられる。
とあります。元はフランス語です、アクセントは「デ」にあります。劇中では「ペ」にアクセントがありましたけど。
ちなみに、台詞の上でしか登場していない、西日本に登場するヒーロー、ルサンチマンは……
ルサンチマン(ressentiment)とは、デンマークの思想家セーレン・キェルケゴールにより確立された哲学上の概念。主に、ある感情を感じたり行動を起こしたりさせる状況下で生きられる人、すなわち強者に対して、それをなしえない弱い者の憤りや怨恨、憎悪、非難の感情をいう。この感情は自己欺瞞を含み、嫉妬や羨望から来る。(出典:Wikipedia)
だそうです。デペイズマンよりは耳にしたり目にする機会は多いのではないでしょうか。ではなぜそちらにしなかったのかと言いますと、矛盾をテーマにした物語にはぴったりだったのと、芸術仮面にしておけば面白い技も思いつくと考えたからです。実際プロット(台本を書く前に本編のあらすじや骨子やテーマなどを書きます)の時点で既に技の名前が決まっていました。
その他のキャラクターの名前ですが……
ナカバヤシ・リツコ=中立
ムカイ・ジュン=矛盾
セツヤくん=節約
ピラペン=Peter Pan(ピーター・パンの英語読み)
ティンカベー=Tinker Bell(ティンカー・ベルの英語読み)
などから来ています。ちなみにBHUコント時代にピラペンとティンカベーは登場しています。リツコにピラペンがやらせた「五里霧中(ゴリ夢中)」は当時のネタです。ティンカベーは「ティンカベティンカベ!」しか言わないキャラでした。なんで「ウェンディ」じゃないの、というツッコミは今までなかったので、説明は割愛します。
ではまた。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その6
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 6 月 15 日

先週は諸般の事情でお休みしてしまったおかげで、ただでさえアクセス数が少ないのに更に少なくなってしまいました。自業自得です。ということでケータソの言葉の解説もこれで最後にします。ちなみにゲオグランデの稽古も開始しましたので、稽古場風景などいずれ掲載していこうかと思っています。ああ、でも今更稽古場風景もないか。
いただきマンモス/マンモスうれぴーです:
世代によってはひょっとして聞いたことすらないかもしれませんね。今やママさんタレント(ないしは女優)として活躍中のアノ方がデビュー当時発していた独特な言語です。最近で言うところのナントカりんの先駆的存在です。最初は耳を疑ったものです。
リアス式怪獣(りあすしきかいじゅう):
今回登場した怪獣は流氷怪獣とマグマ怪獣と、このリアス式怪獣の3体です。ナライは電話の向こう側で言った何の台詞に反応したのかわかりませんが理解したようです。ご覧になっていた皆さんも、意外とこの怪獣が一番イメージしやすかったかもしれません。むしろ流氷怪獣ってどんなだ。
全世界の人類が平和(ピンフ)で和了(あが)れますように:
麻雀をやらない方にはさっぱり何のことかわからなかったと思います。麻雀の役(勝つ組み合わせ)のひとつですが、とても安い(低い)役なんです。それと街でたまに見かけるアノ看板をかけています。ナライもこの時点で「愛は地球をすくい投げ」と言っていますが、どれだけこのシーンをひっくり返しているかはおわかりでしょうか。
蟻が十匹です(ありがじゅっぴきです):
今から十年以上も前の話ですが、普通にこのフレーズを使っている女性の先輩に出くわしたときは驚きました。というか、最初は何を言っているのかわかりませんでしたよ。十匹いたから何だというのか、くらいに思っていました。「よろしく36」に匹敵する「よく考えないと意味がわかりにくいし、おまけに笑えない」くだらないダジャレです。
以上でケータソ言葉の解説は終わります。次回『パレオパラドキシアの黎明』でも果たして解説はあるのかどうか。ご期待ください。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その5
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 5 月 31 日

そろそろ言葉の解説も終わろうかなって思ってます。もう公演から1ヶ月経ちましたし。
丑寅の方角(うしとらのほうがく):
特に具体的にどの方角かわからなくてもよいのですが、北東です。旧暦が使われていた頃、 時刻や方位に十二支を使っていたのですが、時刻はともかく方角は十二で割り切れず、東西南北は当て嵌まるものの、その中間が当て嵌まらなかったんですね。よって北東は丑寅(うしとら:一文字だと艮)、南東は辰巳(たつみ:巽)、南西は未申(ひつじさる:坤)、北西は戌亥(いぬい:乾)と呼ぶようになったわけだそうです。
ちなみにゾエアが名付けられた「トラウマン」の方角・寅卯は東北東よりやや東寄りの方角ですね。
ニポポ人形(にぽぽにんぎょう):
基本的には北海道・アイヌの郷土玩具をニポポあるいはニポポ人形と呼ぶようですが、網走刑務所の受刑者が製作していることから網走の名物的な郷土玩具の印象が強いですね。それで先方の地球防衛軍の広報部が「アイスニポポン」なんていう怪獣名を考えてしまったようです。 もしニポポンのままだったら弱そうですよね。一般市民も怪獣というよりは珍獣扱いして、関連グッズとかすぐ作られそうです。
※参考:Wikipedia「ニポポ」
なんか・ぽかーんとした・お仕事?:
書いた本人はすっかり忘れていたのですが、前作『その男、アゼルバイジャン』でもNPOの略の話が出ていて、そのときは「なんか、プロみたいな、お仕事」という台詞にしていました。そんなにNPOが好きなのか私は。
仮面ライダーに5号なんていなーい!:
劇中でもフクシマ博士は言っていますが、順に「仮面ライダー1号」「仮面ライダー2号」「仮面ライダーV3(ブイスリー)」「ライダーマン」「仮面ライダーX(エックス)」で、「5号」という表現はしていません。ではニエカワはなんと言えばよかったのか。「サンダーバード5号」あたりが無難だったのではないでしょうか。
マキシマム・ゾエア・ビーム、略してマゾビーム:
単なる略称と、自虐的な意味合い(マゾヒスト)を引っ掛けています。説明するまでもないですね。最近よく「私M人間です」とか「自分はSですね」などという会話を耳にしますが、マルキ・ド・サド侯爵やザッヘル・マゾッホが今の日本を見たらなんと言うでしょうね。本人たちも自分たちの名前がそんな風に使われているとは当時から思っていなかったでしょうけど。
たぶん、次回で本公演の言葉の解説は終わりそうです。また来週。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その4
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 5 月 24 日

結局このペースです。のんびりいきます。今はアクセス数なんて気にしている場合かっ。
よろしく哀愁!(よろしくあいしゅう):
OGCと言いながら身体はYMC(A)と動きそのものすらオヤジギャグのフクシマ博士は単なるコンサルタントなんですが、物知りだということだけで「博士」と呼ばれ、「博士だから白衣」という安直なファッションセンスで見る者を圧倒します。
この「よろしく哀愁」というのは74年に郷ひろみさんがリリースした曲名です。2005年にカバー曲が出ているので、若い世代でもご存知の方が多いかもしれません。
「おっと、メカドックのほうがよかったかな?」というのは、80年代に少年ジャンプで連載されていた漫画作品『よろしくメカドック』に由来しています。ロックバンドの氣志團がテレビで連呼していた時期もあったので、若い世代にも(以下略)。
フクシマのポーズは「犬(ドッグ)」を彷彿とさせますが、実際は「ドック(修理などをする設備)」ですので、これまた動きまでオヤジギャグです。
地口(じぐち):
劇中でも紹介していますが、耳慣れない方もいらっしゃると思いますので書いておきます。地口と書きます。最近は日常会話で耳にする機会も減ったと思います。「ああ美味かった(馬勝った)牛負けた」「美味しかった(大石勝った)吉良負けた」「驚き桃の木山椒の木・ブリキにタヌキに洗濯機」「アイムソーリー・ヒゲソーリー・支持率下がった(略)」「当たり前田のクラッカー」「恐れ入谷の鬼子母神」「いやじゃ有馬の水天宮」などは比較的メジャー(一部アレンジあり)な地口です。今は流行らないんですかね。
じゃじゃまるのぴっころがぽろり:
下ネタを忌避するBHUギリギリのネタです。『ベルホヤンスクで犬』の「エロ速い」以来ですね。とはいえこれには元ネタと言いますか、公共放送の番組がスタートした頃にはあちこちのお父さんたちが使っていました。チチブは「じゃじゃまるの〜」と言っていますが、後半ミスティから「ぴっころのじゃじゃまるがぽろり」という言い回しが出てきます。こういうネタが嫌いでチチブとミスティが別れたとはチチブの表向きの離婚の理由ですが、どちらのバージョンも中途半端にイメージできるのがいいですよね。さすがは公共放送。
えー、台本見ながら解説していくともっと細かくなって読者を置いてけぼりにしかねないので、記憶にだけ頼って書いていくことにします。なんて言ったら来週で終わったりして。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その3
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 5 月 17 日

さて、今回は劇中に登場した言葉の解説をしましょう。なんだかんだで週一ペースですが、案の定アクセス数が右肩下がりになっていってますね。なんか面白い番組でも定期的にやればいいんでしょうね。考えておきます。
S県庁(えす・けんちょう):
劇中で2回くらいしか登場しない呼称ですが、小説などではよく使われる手法ですよね。具体的な都道府県名を使うとフィクションだかノンフィクションだかわからなくなる人もいたりするので、架空の都道府県名を作るかこのようにアルファベットで誤摩化してしまうのが一般的です。
舞台の台詞の場合だと、架空の都道府県名を作ったとしてもお客様からすれば耳慣れない響きですから、下手すれば地名なのかどうかも識別していただけなくなるおそれがある。ということで今回はS県庁としました。
チチブの名前から「埼玉県」を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、実は頭文字がSになる都道府県はほかにも滋賀・静岡・佐賀・島根などKに次いで2番目に多い頭文字なんです。ちなみにKは香川・鹿児島・神奈川・京都・熊本・高知の1府5県ありますが「K県」というと「経験」や「敬虔」などと混乱しかねない(しませんけど)。Tは1都4県(東京・富山・栃木・徳島・鳥取)で悪くなかったんですが、言葉の響きでS県に軍配が上がりました。私の中で。
余談ですが、8月のゲオグランデ公演『ホテル・カレイドスコープ』にも「S県警」という語が登場します。S使いやすいですよS。
文化環境部文化管理課(ぶんかかんきょうぶ・ぶんかかんりか):
ありそうでたぶんない部署だと思います。いや、探せばあるかもしれませんが、ネットで引っかかった中では一番近い名称を持つ部署が京都府の文化環境部環境管理課と、高知県の文化環境部文化・国際課でした。さすがにどこも「文化を管理する」という部署は持たないのかもしれません。意外と省庁にあったりして。そこまでは調べていませんが。
「○○管理課」というのは多いですが文化管理課だけで検索しても(リンク先はGoogle検索結果)ヒットしませんでした。
このようにありそうでなさそうなものに関しては、最低限下調べをしています。この程度のものならあっても書いてしまいますけどね。
いーのいーのブライアン・イーノ:
上演するまで意識していませんでしたが、ブライアン・イーノ(Brian Eno:リンク先はWikipedia)って結構日本ではマイナーだったんですね。Windows95の起動音の作曲者でもありましたので、ご存知の方も多いかなと思ったのですが、劇場主の方から「岡見さん、ブライアン・イーノ聴いてたの!?」と驚かれるくらい、今ではマイナーなミュージシャンなようです。どうりで客席の反応が薄かったわけです。
ニエカワスジエモンくん:
最近はどういうのか知りませんが、私が学生だった頃までは「とても痩せていてガリガリな男性」のことを「ホネカワスジエモン(骨川筋衛門)」と呼んでいました。今だったら「差別用語だ!」と言う人も出てくるかもしれませんね。でも、不思議と「ホネカワスジコ」という女性名称は聞かなかったです。女子校などでは言われてたのかな。
ナライ課長はガリガリとはいかないまでも、精神的にやせ細ったように見えたニエカワを一目見て咄嗟にダジャレを言ってしまうのでした。文化管理課がオヤジギャグを管理する部署というイメージを早々に定着させるための台詞のひとつです。
えー、このペースでいくと、終わる前にゲオグランデの稽古が始まってしまいそうです。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その2
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 5 月 10 日

『ケープアカハーテビーストの黄昏』では今までのBHU作品でやったことのない2つの試みを冒頭にしています。
ひとつは開場から開演の間の約30分間、舞台上に役者を登場させています。「演劇的表現」としては特に珍しい手法ではありませんが、そこに「登場人物の日常」を反映させているところがポイントです。お気づきになった方もいらっしゃるかと思いますが、30分間思い思いにキャラクターが登場しますが、誰も舞台上で「会話」をしません。目が合っても互いを意識していません。それは一般的な日常風景を表している(街中の風景)のと同時に、劇中で語られる「コミュニケーション」のない状態を表現しています。その人たちが劇中で「コミュニケーション云々を語る滑稽さ」は伝わりにくいかと思いますが、このイントロ部分の見方によって本編の捉え方が180度異なる人もいらっしゃるかと思います。
もうひとつは、本編が始まって最初の10分間は各登場人物たちの独白めいた長い台詞が続くところです。実はあの部分で本編で伝えたいメッセージ的な要素はほとんど言われているのです。ウエマツに始まりミスティの「アイアイはお猿さんなの」までが本編にちりばめた様々なメッセージのまとめ、その後のゾエアとウエマツの長い台詞が異星人側と地球人側の物語の始まりを意味しています。
もっと細かく言えば、ウエマツは人類のコミュニケーション、チチブは家族のコミュニケーション、フクシマはコミュニケーションそのもの、ミスティはそれらを成立させるのには愛が必要不可欠である、と説いています。「愛」を語るのは人間であって「アイアイ」と子供のように叫ぶのは「お猿さん」つまり「未成熟な人間」であるという隠喩が含まれています。
でも、基本的にはそこまでご理解いただかなくて、ただ笑っていただければよいのです。何こいつ変なこと言ってるんだ、というのもひとつの楽しみ方なんです。そもそもテーマ性やメッセージ性を軽視はしないものの、物語そのものはお客様ひとりひとりが好き勝手に捉えていただきたいという思いがあるので、よく物語の終わりのほうにテーマやらメッセージやらを持ってくる作品が多い中、それらにちょっぴり反抗する意味もあって冒頭に持ってきたのでした。
ということは、最後のそれっぽい主人公たちの台詞は一体!?…… という風に考えると、より一層BHUの世界をお楽しみいただけると思います。
『ケープアカハーテビーストの黄昏』言葉の解説その1
Posted by OKAMI in BroaderHausUnit, REP'S TALK on 2009 年 5 月 3 日
インフルエンザよりも道路渋滞に悩まされたかたが多いGWですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。『ケープアカハーテビーストの黄昏』が幕を閉じて1週間が経ちました。各所よりご好評いただいておりますが、今回も前回(『その男、アゼルバイジャン』)同様、言葉の解説を掲載していこうと思います。単語自体は前作ほど「聞き覚えがない」というものは少なかったようですが、その言葉を使った意味まで深読みされているかたは果たしてどれだけいらしたでしょうか。
さて、第一回目は登場キャラクターの名前の由来について。これまでのBHUでも様々なキャラクターが登場しましたが、大なり小なりキャラクターの名前には由来があります。適当に名前をつけているキャラクターのほうが少ないかもしれません。
ニエカワ:ある場所に仕事で行った時に「贄川」の名を知りまして、生け贄の「贄」という字もあって今回の主人公にはちょうどいい名前だと思い、この名前を付けました。下の名前のワタルというのはリカのところで説明します。
ナライ・ノジリ・ウエマツ・フクシマ:贄川は中山道六十九次(リンク先はWikipedia)と呼ばれる中山道の69の宿場のひとつ(贄川宿)でもあります。では、他の文化管理課とOGCのメンバーもそこから名前を拝借しようと思い、人物の苗字として私がかつて聞いたことあるものからチョイスしました。
チチブ:本作のチラシハガキおよびパンフレットの写真は、実は奥秩父の某所で撮影したものなんですが、そこから拝借しました。実際の秩父地方の有名な企業と言えばチチブセメントなどが思い浮かびますが、そことは一切関係ありません。
リカ:某玩具メーカーから発売された今さら説明するまでもない人形の名前から拝借しています。マンガちっくなキャラクターとして描かれていますが、こういう女性は意外と少なくないような気がします。この人形のボーイフレンドとして発売された男子人形のひとつがニエカワの下の名前と同じだったりします。
ゾエア・メガロパ:両方ともカニ(蟹)類の幼生期の名称です。ゾエア期・メガロパ期を経てカニに成長するのです。なんとなく宇宙人ヒーローぽい名前だったのと、まだまだ幼生である(これから大きくなっていく)という意味合いを込めて拝借しました。
ミスティ:ミステリアスな「謎の女」という意味と、最初のうちは「はっきりしない(mist:霧・もや・かすみという意味も)」キャラクターとしてこの名前(愛称)としました。本名のユリコは、ウルトラセブンのアンヌ隊員役で有名なひし美ゆりこさん(リンク先は公式サイト)をなんとなくイメージしています。
ウシトラマン・トラウマン:劇中でも説明している通り、丑寅と寅卯に由来しています。ウシトラマンはこのお話が書かれる前からアイデアとして私の中で存在してたのですが、トラウマンの名前は書き始めるまで出てきませんでした。結果的に「トラウマ」にも引っかかったいい名前になったと思います。
一応REP’S TALKのコーナーで続けようと思いますが、いつもの更新頻度よりも短くなるかもしれません。次回をお楽しみに!
最近のコメント