『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その61

11月 4, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

いよいよクライマックス・シーンに差し掛かろうというところで未由がにわかにクローズアップされます。キャラクターとしての出番は少ないのですが、気になる登場の仕方をさせて後半の「オチ」につなげるためには存在感がなければできない役です。未由役の栗林は今回参加したメンバーの中では最年少でしたが、豊かな発想の持ち主で他のメンバーに負けない存在感を見せてくれました。未由自体「変なキャラ」なのに、賢午が「一目惚れをする」ことに見ていて抵抗がありませんでした。一目惚れというものが相手の一面だけを見て起こるものだということをとてもわかりやすく演じてくれました。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その60

11月 3, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

「見た目はサルでも実は今の世の中の人間たち」を演じることは解釈としては間違っていないのですが、たとえばこのシーンなんかはとにかく楽しく盛り上げてほしいわけです。見てる方も楽しくなるし、楽しければ楽しいほどその後の展開とのギャップが大きくなっていい「オチ」につながります。最終的に物語を解釈するのはお客様ですし、稽古の時点では「方針」がブレないように演出家だけが理解していればいい。「演出家がどうしたいのかがわからない」と言ってる役者が以前もいましたが、演出サイドからすれば「どうしたい」というのはあまりなく、特にゲオグランデ(BHUもそうですが)の場合は「どうすればお客様が楽しく観られるか」しか考えていないというのが現実です。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その59

11月 3, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

誤解を恐れずに書きますが、役者は物語がどのように進行していくのか、どこが楽しい場面なのか、という理解さえあれば詳しい物語の意図など読み取らなくても良いと私は考えています。たとえば『ラヴ♥サーカス』に登場するサルたちは、作品を書いた本人からすれば今の世の中の人間たちの象徴だったりするわけですが、ではそれを台本から読み取って果たしてどこまで表現ができるのか。また、役者によって「今の世の中の人間たち」のイメージが異なりますし、その部分を演出家が強調しようものなら余計に「見た目はサルでも実は今の世の中の人間たち」を表現しようとしてしまいます。このシーンで求められているのは「舞い上がった賢午のバカさ加減」なのに、サルの暗喩を演じてしまってはあそこまで楽しいシーンにはならなかったでしょう。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その58

11月 2, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

作・演出を同じ人間がやっている劇団の中には、自分が書いた作品にこだわるあまり一字一句の変更も許さないところもあるかもしれませんが、ゲオグランデの場合は幸い優秀なスタッフと個性的な役者に恵まれているので、それぞれの力を持ち寄らせたほうが面白いものができると考え、会話のテンポやトーン(音声の高低や強弱など)こそ細かい指示することはあっても、意味さえ通じれば台詞のひとつやふたつ台本通りでなくても特に指摘はしません。作家が別の人がやっていて、しかもその作家と演出家がなかなか話し合えない現場だと台詞を変えたりカットしたりするのに勇気が必要かもしれませんが、ゲオグランデの場合は役者が稽古中やったことが面白ければそのまま使います。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その57

11月 2, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

演出家の「方針」によって同じ作品でも全く異なった雰囲気になります。映画で言うところの「監督」に近い仕事をするわけですが、わかりやすく言えば「最終決定を下す」のが演出家の役割だと思っています。たとえば「台本を一字一句違わず役者に台詞を言わせる」演出家もいれば「役者の解釈に委ねる」演出家もいます。どちらがいい悪いという話ではなく、作品の雰囲気やスタッフ間の連携、役者の力量などによって変わるものですし、当然演出家本人の得手不得手によるところもあるでしょう。ゲオグランデの場合は作・演出が同じ人間だからというわけではありませんが、一字一句台本通りに台詞を言わせるということを強制しません。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その56

11月 1, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

最近はYouTubeなどの映像配信サービスなどで、よく飼い犬の愛くるしいシーンがアップロードされているのを見かけます。一昔前では考えられなかったことですが、犬も何度も撮られてちやほやされると、次第にカメラを意識するようになるかもしれない。そんな発想からこのシーンが生まれました。ちなみにこのシーンでの踊りの振り付けは、山西本人が大好きな某アイドル少女集団のダンスへのオマージュだそうです。気付いた方はいらしたでしょうか。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その55

11月 1, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

11月になりました。あと2ヶ月で今年も終わりです。早いものですね。って、たぶん毎年言ってると思いますが。

昨日はすっかり日本では「仮装パーティーをする日」あるいは「カボチャ料理を作る理由ができた日」という形で定着してしまったハロウィンでしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。欧米では相変わらず子供たちが集団で”Trick or treat!”と家の玄関でわめきちらしていたようですが、これを直訳すると「いたずらかもてなすか」となりますが、実際は「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!」という感じで伝わっていると思います。子供が言えば「いたずら」も他愛のないものだと思えますが、同じ台詞を大人が言ったらちょっと違う意味で解釈されてしまいそうですね。

同じ台詞でも言うキャラクターによって印象が変わってきます。ただ「テレビに出たい!」と叫んでも特に面白いことはないのですが、犬であるタマが真剣な顔をして「きょうのわ○こに出たい!」と言うと、「ああ、犬は犬なりに出たかったんだ、あのコーナー」という想像が働いて微笑ましく思えるから不思議なものです。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その54

10月 29, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

酉子と亥代が賢午を巡って争うシーンは、初めはすべてマイム(ジェスチャーだけで)表現をする予定でしたが、振り付けの山西のアイデアで「リングを作る」ことになりました。戦いの場が明確になるというのと、そこまでするのかというバカバカしさ、そしてここでも天使たちが頑張ってリングを作る(つまり人間たちには見えていない)という視覚的な面白さが合わさって、とても楽しいシーンができあがりました。

※土日の更新はお休みします

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その53

10月 29, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

台詞もなく照明の大きな変化もない状態で時間の経過を表現するのは至難の業ですが、それまでのシーンでキャラクターの関係性や動きの意味をお客様に見せることができれば難しい話ではありません。酉子と亥代がもめていたり、それを見て丑吉(園長)や富士(恋愛冒険家)が肩を落としたりすれば、キャラクターの心情や関係性の変化を表現することとなり、それが結果的に時間の経過につながっていくわけです。また、未由には「非常勤のポーズ」というものを考えてもらいました。なんか瓶(びん)を持っているようなポーズを覚えてますでしょうか(その51を参照)。なんで瓶を持つと非常勤なのかというのは一種のネタフリで、そのポーズをすれば「ああ、また非常勤ですからって言って断られているな」というのが台詞がなくてもわかるわけです。無理に「非常勤」というのをジェスチャーで表そうとするよりスマートに表現できます。「舞台」を使った「見せ方」だからこそできることです。

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『ラヴ♥サーカス』を振り返ってみる その52

10月 28, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

賢午が未由に一目惚れした後、台詞がなく歌だけが流れて「日々が過ぎていく」シーンがあります。こういう見せ方はテレビドラマや映画でもよくあるパターンですが、様々な風景ショットを間に挿入することによって「日々が過ぎていく」ことを見せられる「映像」と違い、舞台の場合は台詞で説明するか、明らかに衣裳を変えるか、字幕で「三週間後」などと吊るした幕にプロジェクターなどを使って投影するなどして時間経過を表現します。ゲオグランデの場合、曲と台詞のテンポが重視されるので、「暗転」(舞台を真っ暗にすること)の多用を避け、役者の出ハケ(舞台への出入り)と演技で見せることにしています。

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