続々・アイ・ラヴ・ユーの訳し方

7月 11, 2010 in Geogrande, REP'S TALK

1週間のごぶさたです。作・演出の岡見です。まさかこのネタを3週にわたって引っ張るとは思いませんでした。しかも、8月の公演とは「ラヴ」って言葉が重なっているだけで、本編とはまったく関係のない話です。この投稿を読めば本編がより楽しく観られるかも、と期待していた皆さんには、この場を借りてお詫びします。この投稿を読み続けているあなた。今とっても本編から遠いところに来ています。本番前までに忘れてください。一瞬、家族愛をベースにした「ラヴ・コメディ」作品も面白いかもと思いましたが、混乱を招くだけなのでやめておきます。

さて、先週は「I love you」の「love」は「愛してる」という意味のほかに、というか背景に「見守っていて、救いの手を差し伸べる」気持ちがあると書きました。もっとシンプルにすれば、相手を「大事」に思う「大切」にする気持ちが「love」であるという内容でした。そこまではご理解いただけたでしょうか。ちょっと話がそれますが、以前マザー・テレサだったか、彼女に相当する立派な方だったか覚えていませんが「愛の反対は憎しみではなく無視すること」と言っていたことを思い出します。これも「愛」や「憎しみ」には感情が含まれますが、「無視」には感情がないので、感情という側面から見れば反対語としての関係が成立するわけです。

基本的に他人に対する感情は「好き」か「嫌い」かのどちらかに分けられると思います。曖昧さを好む日本人だったら「好きな時もあれば嫌いな時もある」と思ったり「家の外では好きだけど、家の中に入ると嫌い」という、もはやどう説明したらいいのかわからない感情もあるかもしれませんが、いずれにせよ「好き」か「嫌い」かに分かれ、「I love you」と言える相手のことは「好き」の感情が根底にあるわけです。だから「愛」と訳すと、男女の愛(人によっては同性の愛)を「好き」から連想して家族間の「愛してる」という訳に違和感を覚えるわけです。

ここでやっと冒頭にふった内容に戻るのですが、最近の海外作品の字幕においては「I love you」をそのまま「愛してる」と訳さないものも見られるようになりました。私も少し前に訳した戦争もので、父が徴兵された息子を抱きしめて「I love you」と言っているシーンでは「元気でな」という字幕をあてました。完全に意訳ですが、その方が日本の視聴者にはしっくりくると思います。もともと家族で抱き合う習慣がないので「愛してる」と訳されても「ああ、海の向こうではみんなこうなのね」と納得される方もいらっしゃるかもしれませんが、元を紐解いていけば「(お前は)大事な家族だ」とか「いつでも助けてやる」とか「心配しないで」という意味が含まれているということをご理解いただければ、より自然に海外のドラマや映画を楽しむことができると思います。

もはや完全に舞台の内容から離れた話になってしまいましたが、『ラヴ♥サーカス』は順調に稽古を進めています。家族愛の「ラヴ」ではなく、男女の「ラヴ」の「コメディ」です。お楽しみに。

※今回も写真と本文の内容は一切関係ありませんが、無理矢理こじつければ「ラヴ」っぽい写真に見えるかもしれません。こじつけてみてください。

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