Archive for 6月, 2010

アイ・ラヴ・ユーの訳し方

お久しぶりです。作・演出の岡見です。最近は舞台以外ではもっぱら映像翻訳のお仕事中心の生活をしております。いわゆる海外映画(洋画)や海外ドラマの「字幕」を作る(翻訳する)お仕事です。

ちょっと前まではテレビ(地上波)で放映される映画などでも一般的なように「吹き替え版」の需要が高かったのですが、レンタルビデオ(最近はDVDやBD)のお店が増えたからか、はたまた衛星放送やケーブルテレビが普及したからか、海外ドラマの需要も増え、俳優の生の声が聞きたい視聴者が増えたのか、「字幕版」の需要も増え、私のところに回ってくるお仕事も徐々に増えている感じがします。錯覚かもしれないけど。

そこで今回のタイトルにつながるわけですが、特にアメリカ製のドラマや映画なんかで男女の間のみならず、親子や同性の友人たちの間でも「I love you」という台詞が交わされるシーンが目立ちます。ベタな直訳をすれば「(私はあなたを)愛してる」となるわけですが、日本の場合「愛してる」って台詞を言うのはほとんど男女の会話だけだと思います。たとえちょっと軽めに「好きだよ」と言う場合でも、なかなか同性の会話では出てこない台詞でしょう。試しに隣にいる同性の人に「好きだよ」とか「好きよ」と言ってみてください。なんとも言えない空気が漂いませんか。

たとえばアメリカのドラマで家族の間でなんかいろんな問題があって、でもドラマの後半で腹を割って話したりして、しまいに父親が息子に「I love you」と言ったかと思えば、息子も「Me too」とか言ってがっちり抱き合ったりするシーンがあったとします。いや、よくあるシーンです。私の世代が中学生で習った英語の知識をそのまま使えば、父親は息子に「愛してる」と言い、息子も「僕もだ」と言って抱き合ってることになります。そして、そんな風に訳して字幕にしている(場合によっては吹き替えにしている)作品も実は少なくありません。試しにあなたが父親なら息子に、母親なら娘に、息子なら父親に、娘なら母親に、なんかいろんな家族の問題があったときに、最終的に「愛してる」と言ってみてください。おそらく10人中9人が…

「どうしたの?」

と聞き返すか、そんなことを言いそうな顔をするでしょう。ちなみにこれを英語の台詞に丁寧に置き換えると「What’s wrong with you?」となります。これをさらにベタな直訳をすると「あなたに何の間違いがあったの?」となります。そうなんです。「何かの間違いではないのか」と思うのが普通だと思います。じゃあアメリカ人はみんな間違っているのか。我々は間違った国に戦争で負けたのか。戦勝国の言い分が正しいのであれば、間違っているのは我々の方なのか。そこまで考えてしまう人がいないことを祈りますが、実は本当は「愛してる」と訳すからおかしな気持ちになってしまうのです。

と、ここまで書いて、続きは来週お届けしたいと思います。

※見ればわかると思いますが、写真と本文の内容は一切関係ありません。文字だけじゃ寂しいので、最近撮った写真を意味なく掲載してみました。

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『ラヴ♥サーカス』予約開始!

ゲオグランデ3rdステージ(第3回公演)『ラヴ♥サーカス』のチケット予約を開始いたしました!
詳しくは次回公演情報のページをご覧ください。

今回のステージは、前のエントリにも書きましたが、劇作家・岡見本人が初めて書いた「ラブ・コメディ」作品です。書いた本人は「ひょっとしたら、これはコメディ・ラブかもしれない」とわけのわからないことを言っていましたが、とにかくバカまっしぐらであることには違いないです。「こんなラブコメ見たことない!」というありきたりなキャッチコピーでは言い尽くせないステージをお届けします。お楽しみに!

〜恋愛に関する格言〜

愛することは苦しむことだ。苦しみを避けるには、愛さないことだ。だが今度は、愛さないことに苦しんでしまう。従って、愛することは苦しむことであり、愛さないことも苦しむことになる。結局、人は愛に苦しむのだ。(ウディ・アレン)
“To love is to suffer. To avoid suffering, one must not love. But then one suffers from not loving. Therefore to love is to suffer, not to love is to suffer. To suffer is to suffer.” Woody Allen

名作映画を数多く監督してきたウディ・アレンの言葉を意訳してみました。恋愛に苦しんでいるそこのアナタ! 安心してください。名監督も苦しんでいます!

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